トニーのジョグジャ便り(2)
三番目のコウさんは何度も現地を訪れているし、最長で3ヶ月も連続して逗留したこともあって現地通だ。先輩のパープルさんのために一日ジョグジャの案内役を買って出てくれた。
まずは劇場視察、現地スタッフのチャーリーさんに案内してもらって、今日はほかのイベントが行われているので作業は22時からということになった。
雨のなか劇場の前にある3階建てで延々300メートルは続いている大きなバザールを見学。
パープルさんは紫色に目がなく、買い物にきて品選びをしてる若い回教徒の家族の奥さんがかむっているブルカをかってに引っ張って「これが欲しい」と言い出す始末。最初は驚いて顔の曇った彼女だったがそのブルカが売られている店を教えてくれた。さっそく紫のスカーフを100円で購入。値切ればもっと安くなるらしい。
パープルさんのパープルクレイジーはとどまるところをしらない。路上にしゃがみ込んでいい香りのする花を売っているおじさんに商品ではない私物の紫の傘が欲しいと言い出したり、ケブンフォーラムでは出されたジャワティーのカップが紫でオーナーに譲ってほしいと交渉してほしいと3番目のコウさんにせがんでいた。
昼食はチャリーさんたちがコツコツ3年にわたって列島から機材を運び込んで作られたケブンフォラム付属のレストランで食べた。豆腐の揚げ物のハンバーグ、バナナの天ぷら、野菜スープそしてビンタンたらふく食べて5人前〆て1400円なり。
バンバンさんにこちらに来て最初にいわれたジョーク「トニー今回トラックの運転はしなくていいよ」いつものぼくの役目を担ってるのが、ヨギさん。そのヨギさんに聞いてみた。「だいたい1月いくらくらいで生活してるの?」「1000000ルピア」「1万円ってコト?食べ物がこんなに安いんなら問題ないね」
食後、ジャワダンスのお面をやパペットを制作している工房をおとずれた。ガイドブックには載ってないコアな工房らしく、ヨギさんは何度も道を間違えた。おかげで、タクシー観光ではたぶん見ることがなかったであろう農村風景を眺めることができた。田植えが済んだばかりなのに驚いたが一年に最低3回米は収穫できるらしかった。豊かなのだ。
工房では、三番目のコウさんが自身のパフォーマンスに使うお面購入以前に来たときも6面購入したとかで、しかも言い値で買った。その場で自分の顔にフィットするように加工してもらっている最中にヨギさんが工房の若い親方に呼ばれてごそごそ話していた。
帰り道車をスタートさせると、ヨギさんが3番目のコウさんに「親方があなたに 50000ルピア返すようにぼくに渡しました」といって封筒を差し出した。三番目のコウさんはその封筒を受け取らずにヨギさん「今日はありがとう」と言ってあげてしあまった。
お面の加工待ちの会話。 お面をかむると視線は自然に足元の少し先になる。プサールさんの仮面の踊りで彼がお面をはずすときは神が下りてきたときだよね。お面から演者の顔がはみ出るのはなぜか?プサールさんの仮面の踊りで彼がお面をはずすときは神が下りてきたときだよね。面白いんだけどプサール山もコリアのミサキ様も自分は神さんだって云うんだ。この場合の神って何なんだろうね?雪駄もいなせな雪駄の履き方は踵がはみ出るくらいがいい。
夕方現地時間6時頃、今日3度目のお祈りがきこえてきた。近くにあるモスクからのようだ。疱瘡は流れても行き交う車の流れは途切れることはない。しかし、5年以上前から何度も現地を訪れているコウさんが解説してくれたのだが、「ぼくが最初にきた頃は、市場でも今みたいにあんなに多くの女性がブルカをかむっていなかった気がするし、テレビのドラマの女の主人公は今はみんなブルカをかむっているようになってしまった。ちょっと変な気がする」ということだった。
現地人のチャーリーさんによれば、じつはこの市場は回教の寺院に付属して発展したらしく、そのモスクは建て替えられつつあるので現在はただのマーケットにしか見えない。だからイスラムの衣装を売る店が目につくのは当然なことらしかった。
行き交う車の中に青トラ君と同年代の車を見つけるのは難しい。新しい車が多くて、そのメーカーの大半は列島の会社だ。


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