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2008年4月15日 (火)

青トラホテル÷イフターム・ヤー・シムシム!(6)

 昨年のちょうど今頃、サリーと京都の賀茂下社に出かけた。そこにある縁結びの神社相生社でツーショットしたりなんかして・・これが間違いのもとだった。サリーと縁結びされたのでなくどうやらカモのカミサンと縁結びされてしまったらしのだ。 

 カモ社への興味といえば、鴨川が分流する中州のようなところに位置すること、「カモの神さん」は「神のカモさん」でもあること、「カモネギショッテ」とか「カモにする」とか、なんだか不当にカモが馬鹿にされている言葉があること。もっとも、「カモのカミさん」的にいえば、カモネギは「カモ、禰宜背負って」カモしれないこと。

 ともかく、京都を起点とする中国地方の旅が始まってしまった。まずはハタ氏とゆかりの深い松尾大社。このお社にもカモの相生社と同じ縁結び信仰の巨木があるからだった。その巨木が二股に大きく枝分かれして一木となっている。これが夫婦に模せられているようだった。カモ氏とハタ氏の信仰熱い両大社に同じ信仰が残っていることは意外に重要なことかも知れない。

 次に、その頃ちょっとポンコツ状態だった鳥取のジョーニーのお見舞いに行った。「わるいな〜遠路はるばる来てくれたのに」といいながら布団から出ようとしない鳥取のジョニーを無理矢理連れ出して・・・でも結局、橋の上から春の日差しのなか仲良く泳いでいる鴨のつがいを眺めたり、仲良く空に浮かんでる二つのアドバルーンを眺めてるだけだった。それでも「子供のときよく喰ったうまいカレーパンがある」というので二人で喰いに行った。喰うと少し元気が出たのか「お前どこか行きたいとこはないのか?シドリ神社に行こうか?」という。

 ぼくらおしどりカップルはハワイ温泉を横目に見ながら潟湖である東郷湖湖畔のサクラの並木トンネルをくぐってシドリ神社に向かった。シドリ神社は倭神社と書く、シ鳥はカモのことを指す、万葉集にはこの用例がいくつもある。倭(倭→ヤマト)がカモをあらわすというのが不思議だった。鳥取のジョニーのおかげで、そのお社が潟湖、東郷湖畔に建っていることを確認できた。

 それから、東郷湖から179号線を岡山方面に20キロくらい入った、たたらの里、三朝町にも連れてってくれた。ここには「金剛トラベル」の旧蹟、掛け屋造り(清水の舞台のような、どうやって作ったんだ?というような崖にお堂がある)鉄の掛け仏で知られる、三徳山三仏寺がある。それから、楽楽福神社(ささふく)というものもある。金属神金屋子さんのお住まいだ。

 しかし、どうも鳥取のジョニーの具合は今ひとつもりあがらない。しょうがないので、奥さんが海外旅行にいっちまって寂しくしてるという、出雲の赤ガラス先輩をたずねることにした。先輩は若い頃、偶然南の嶋の火山が噴火するのを目撃して、(ちょうどその頃、この南の嶋を「金剛トラベル」がレジャーランド化しようとしてた頃で、まさにその日、「金剛トラベル」の社長がヘリコプターでやってきて噴火に出会った。噴火によってレジャーランド化の計画は立ち消えになった。)火山に惚れ込んだ。いまでも列島どこかで噴火があれば命知らず、立ち入り禁止のお山をひとりで登ってしまう。

 行ってみたけれど先輩は地元のお花見に出かけるといって「ああ、歴史好きのダニー、お前にちょうどいいものがこの頃できてな・・」と厄介払いされてしまった。しょうがないのでひとりで出雲大社、といえば古代の巨木信仰に関係あるらしい塔のような寝殿造りが有名のだが、今回はパスして大社に隣接して竣工したばかりの国立博物館に参拝する。

 噂に聞いてた、荒神谷遺跡の銅鐸、数年前、荒神谷と同じように一カ所に集中的に埋設された銅鐸銅矛が発見された加茂遺跡の大展示に出あうことができた。現地が案外近いこともわかって両遺跡を直接歩いてみた。カモという地名は全国津々浦々(どこにでも、という言葉が船の交通に関する言葉で表されるのも面白い)にある。鳥取のジョニーと訪れたあたりにも、この出雲にもカモ地名は多い。

 完全に、10年ぶりで山鉄病がぶり返してしまった。けれど、そろそろサリーのところに戻らなくてはならない。同じ道を戻るのもなんなので、病気ついでに行ったことのなかった、天目一箇神伝説の地、但馬、奥播磨を経由して京都に戻ることにした。宍粟郡伊和神社の青トラホテルで宿泊して、生野銀山を通り、朝来に抜け、道に迷って加古川沿いをくだって瀬戸内海に出た。

 旅に出て青トラホテルにおこもりしてるときが一番妄想が働くのだが、この長距離旅行で山鉄病に一つの手がかりをえた。そのカギは八岐大蛇の民話についての疑問だ。普通このお話は、クシナダヒメ(『古事記』では櫛名田比売、『日本書紀』では奇稲田姫)に象徴される稲作民を苦しめていた八岐大蛇(山鉄民)は、鉄を作るために、砂鉄採取作業(カンナ流し)や、たたら(溶鉱炉)の燃料とすべく山林伐採を大規模にしたために、洪水を引き起し、平野部の農民を苦しめていた。その悪者の八岐大蛇を救う天孫族のヒーロー素盞嗚尊。といういう風に理解されている。

 ボクの疑問は、このお話のサイゴ、酒に酔わされた大蛇がスサノオの剣でもって切り刻まれるわけだが、大蛇の尾っぽの部分からも剣が出てくる。都合二振りの剣がなぜに登場するのか?ということだった。

 八岐大蛇から出た剣は「草薙剣で、別名(あまのむらくものつるぎ、あめのむらくものつるぎ)三種の神器の一つで、熱田神宮の神体である。草薙剣(くさなぎのつるぎ・くさなぎのけん)・都牟刈の大刀(つむがりのたち)・八重垣剣(やえがきのつるぎ)とも称される。三種の神器の中では天皇の持つ武力の象徴であるとされる」。wikiより

 スサノウの剣は十束剣、「十束剣(とつかのつるぎ)は日本神話に登場する剣。「十握剣」「十拳剣」「十掬剣」など様々に表記される。別名天羽々斬(あめのはばきり)で、ヤマタノオロチの尾の中にあった草薙剣に当たって刃が欠けたとしている。(この十拳剣は石上布都魂神社に祭られ崇神天皇の代に石上神宮に納められたとされる。)」wikiより

 ぼくが山鉄民に興味を持ちはじめたのは、その人々が歴史資料にはまるで顔を出さない、まつろわない民だ、という方面からだったせいもあって、谷川健一さんの「白鳥伝説」「青銅神の足跡」なんかを面白く読んでたのにもかかわらず、その古代山鉄民、金属民を、青銅器族と鉄器族に別けて考えてみようとしていなかった。

 しかし、八岐大蛇にまつわる二つの剣は、これら二つの剣がそれぞれ青銅器族と鉄器族の闘争と交代を象徴したものだったんだ。と気づかせてくれた。教科書的に、弥生人→青銅器→稲→船。ヤマト天孫族→鉄器(武器)→船。と、とりあえず考えてみよう。縄文人と鉄器、船についてはこの分類とはまるで別に考えなくてはならない。

 今回のありがた屋企画「ニライカナイ信州ツアー」この三つの仮に分類されたものたちの交通(コミュニケーション)が問題にされるような気がする。

 
 今年の病気もすでに始まっていたのだ。気づいてみれば2月には、スージーと大阪住吉大社詣でをすませていた。気づいてみれば、ありがた屋企画「ニライカナイ信州ツアー」・・・とほほ

 縄文の鉄器(一般的には縄文人は金属器をほぼ使かってなかったことになっている)と、その巨木信仰や茅の輪くぐりについては諏訪の神さんに導かれることだろう。お諏訪さんの信仰のなかには縄文の信仰が色濃く残っているのではないかと一般にはおもわれている。 


 草薙剣をご神体とする熱田神社が、「ニライカナイツアー信州篇」で訪れることになる長谷村の美和湖のほとりにも鎮座する。諏訪信仰圏の西限を意味する古代諏訪の神器薙鎌が出土(出土したもの字体は中世のものらしい)した長谷村の山塊巡りによって、上記分類でいえば、すっぽり抜け落ちている感のある「弥生人→青銅器→稲→船」について調査されるだろう。

 
 そうだ!高原山新石器族とウラジオのピーター一族の交易がなにかの糸口を与えてくれるかも知れない!上記三つの分類のさらに昔存在した高原山新石器族は少なくとも、黒曜石を得るために船で伊豆諸島新島の黒曜石を持ち帰っていた。

 もちろん諏訪周辺の新石器人遺跡からも黒曜石が出土するが、この黒曜石は、諏訪盆地への東の入り口、和田峠から産出する黒曜石と同種であることが知られている。いまの感覚でいえば地理的にも近い和田峠の黒曜石ではなく、海を渡って新島の黒曜石を高原山一族が求めたのはなぜだったんだろう?

 高原山新石器族は今でいうところの栃木辺りに蛮居した一族。現代の思考では船と無縁の地に勢力を持っていたはずなのだけれど縄文海進の際には関東平野は水没していたといわれる。新島に航海できる技術があれば、その逆北方のウラジオと交易も可能だったはず。このことはどうやらピーター家口伝の物語に現代まで伝えられているらしいのだ。

 この辺りの事情に通じているはずのミサキ様だけど、この旅についてミサキ様はなにも教えてくれない「だだ感じなさい」とだけ・・・ボクが見つけたいものは、ケルトの魂なのだ。
 

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